よくある勧誘の流れ |
「時間はかかりませんので、エステの無料体験をしませんか?」「予約制のエステ店なのですが、キャンセルで空きが出たので、無料でエステを体験してみませんか?」などと路上で声をかけられた。 |
「勧誘ではないか?」と聞くと、「勧誘ではない」という。 |
ついて行くと、、個室に通され、肌のアンケートアンケートを書かされた。 |
↓ |
その後、顔のシミが見える機械で、肌の状態を覗くと、 |
「浮いて見えるのがシミの予備軍。これが、数年後にシミになる」
「肌の衰えは10代から始まる。18〜19歳がピークで30歳には老化する」
「このまま放っておくとどんどん肌は衰える。何もケアしないと大変なことになる」 |
などと、表を使って、何年後にはどれくらい肌が衰えるのかという説明をされた。 |
しかし、いまならエステで肌の状態を改善できると言い、
それから10分程度、美顔器を使って無料のフェイシャルエステをした。 |
「この美顔器は1秒間に200万回振動する」
「シミは防げるのは1秒間に100万回の振動を肌に与える超音波美顔器だけ」 |
↓ |
次に、女性が一生にかける化粧品やエステにかかる金額等の話になり、 |
「エステや一生にかける化粧品の金額等よりも安い」「エステで顔の施術をすると、1回2〜3万円、年間では何百万円単位でお金がかかる」 |
「生涯に使う化粧品代は1000万円だが、美顔器があれば化粧品は要らなくなる」「美顔器は、顔だけでなく全身に使える。ホームエステなら高くない」 |
と言いながら、美顔器のパンフレットを持ってきた。 |
↓ |
「仮に買うとしたら月々いくら払えるか?」 |
「価格は35万円だが、今ならモニターで無料でエステをした人は特別に25万円にする」「上司と交渉して特別に20万円に値下げする」「分割払いなら月々これだけ」と言われた。 |
↓ |
「未成年で買うのは不安だ、親に反対される」と言うと、 |
「未成年でも契約できる。他の人も親に内緒で買っている」
「脱毛やまつげパーマも無料でできる」と言われた。 |
その後も、「肌が大変なことになる」とか、「数年後にシミだらけになる」と何度も言ほれてします、だんだんと不安になり、契約した |
↓しかし、その後、 |
家に帰って契約書を見ると、○○万円で、
クレジットの支払総額は、○○万円にもなることに気付いた。 |
また、美顔器を使用してみたが、取り立てて効果が感じられなかったので、
「クーリングオフをしたい」と、担当者に電話をしたところ、 |
↓担当者から、 |
■「あんなに頑張るって決めたじゃない。後で後悔する事になるよ。」 |
■「うちのお店は悪徳業者ではないから、クーリングオフはできない。」 |
■「未だかつてクーリングオフした人などいない。」 |
■「今は、体の中の悪いものが出ている状態で、効果が実感できるのはこれから。」などと、クーリングオフを思いとどまるよう言われた。 |
■「解約手続をしますから、お店に来てください。」と言われ、解約手続をしてくれるものと思い、再度お店に出向いた所、再度、説得され、新たな契約をさせられた。 |
↓その後、 |
実際に美顔器を2ヶ月使用してみたが、まったく効果が現われなかった。 |
「効果が無かったらいつでも止められる」と言われたのに、
「クーリングオフ期間は過ぎているから解約はできない」の一点張りで、
解約に応じてくれず、高額なローンだけが残った。 |
このような相談がよくあります。 |
キャッチセールスのクーリングオフ |
キャッチセールスは、営業所等での契約ですが、
例外的に「訪問販売」として、クーリングオフ制度の適用があります。 |
すなわち、キャッチセールスとは:
営業所等以外の場所で消費者を呼び止めて、公衆の出入しないところ、
営業所(事務所・お店・サロン)等に同行させて契約させる場合です。 |
この場合も、訪問販売と同じく勧誘の不意打性から、営業所での契約であっても、消費者を保護する必要性があることに変わりは無く、クーリングオフ制度を適用対象としているわけです。 |
*路上で呼び止められて、公衆の出入する場所(喫茶店等)契約した場合は、営業所等以外の場所での契約ですから、原則どおり訪問販売に該当します。 |
化粧品やサプリメントなどの消耗品の場合、クーリングオフ期間内でも、開封・使用した場合には、その代金の支払い義務があります。(契約者自信の意思で、開封・使用した場合です。) |
ただ、「それでは、使い方を説明します。」等と言って、商品の開封・使用を誘導されたり、「使う順番」と称して、商品に数字を書き込まれたりすることもあります。この場合には、自らの意思で開封・使用したものではなく、代金の支払義務はありません。 |
また、「それでは、使用していない商品を持って来てください、解約手続をします。」と称して再度来店させ、クーリングオフ妨害や再勧誘をしてくる場合があります。 |
キャッチセールスは、「訪問販売」としてクーリングオフ制度の適用があります。 |
法定書面(法定記載事項を記載した書面。契約書など)を受領した日から、8日間(受領した日の翌日からではありません。)は、クーリングオフを行使できます。 |
しかし、クーリングオフを行使する方法は、メールや電話などの「口頭」ではなく、
「書面」で行う事が、法律上明記されています。 |
また、「書面」は証拠の残らないハガキではなく、「内容証明郵便」の方が確実です。 |
もっとも、消費者よりも販売業者の方が法律を良く知っているのが通常です。上記事例のように、悪質な業者は消費者の法律の不知をいいことに、騙せる相手は、騙してしまおうとしてきます。 |
不実告知(ウソの説明)やクーリングオフ妨害行為があったとしても、後日その事実を証明することは困難です。クーリングオフ期間を過ぎてしまうと、解約する事は、非常に困難となります。 |